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HAMの治験について

「HAM患者さんを対象とした治験Q&A」はこちら


HAM患者さんを対象とした治験開始のお知らせ

 聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センター 病因・病態解析部門長 山野嘉久先生のグループの研究成果により「抗CCR4抗体」がHAMの有効な治療薬となる可能性が示されました。
この研究成果は厚生労働省により評価され、平成23年度から平成24年度の2年間、厚生労働省科学研究費補助金 難治性疾患克服事業「HTLV-1関連脊髄症(HAM)の新規医薬品開発に関する研究」が助成されました。この助成により医師主導治験のプロトコールを作成する研究が始まり、また患者登録システム「HAMねっと」もここで生まれました。
この2年前からスタートした治験開始に向けた取り組みが実を結び、厚生労働省は抗CCR4抗体療法がHAMの有効な治療法になる可能性が極めて高いと判断し、さらに平成25年度から大型の研究費を助成することを決めました。これにより平成25年9月13日より厚生労働省科学研究費補助金 難治性疾患等実用化研究事業(難治性疾患実用化研究事業) 「HAMの革新的な治療法となる抗CCR4抗体療法の実用化に向けた開発」研究班(通称 山野研究班)が発足し、治験の第一歩がスタートしました。

 

新しい薬ができるまで

 新しい薬を患者さんに使用できるようにするため、患者さんでの効き目(有効性)と副作用(安全性)を調べる試験のことを「臨床試験」といいます。そのなかでも厚生労働省から新薬として認めてもらうために行われる臨床試験のことを「治験(ちけん)」といいます。通常「治験」は3つの段階(第Ⅰ相、第Ⅱ相、第Ⅲ相)に分けて慎重に進められます。
第Ⅰ相では、主に健康な成人を対象に、ごく少量の「薬の候補」から使い始め、徐々に量を増やしていき、副作用について注意深く調べます。第Ⅱ相では、少数の患者さんを対象に「くすりの候補」の有効性、安全性とともに、効果的な使い方(量・間隔・期間)について調べます。最後に第Ⅲ相では、これまでに得られた結果でみられた「薬の候補」の有効性、安全性が多数の患者さんにも当てはまるかどうかを最終確認します。治験は「薬事法」という薬に関するルールや厚生労働省が定める「医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP: Good Clinical Practice)」という治験のルールにより厳格に規定されていて、治験に参加する方の人権や安全性、プライバシーが守られるようになっています。
このようにして有効性や安全性を調べた治験の結果は、厚生労働省に提出され薬として役立つかどうかが審査されます。ここで承認されて初めて新しい薬の誕生となります。
さらに薬が販売された後は、実際に多くの患者さんに使われた場合の効果や安全性、今まで得られなかった副作用などが調査されます。

 

HAM患者さんを対象とした治験

 今回のHAM患者さんを対象とした治験は、「第Ⅰ相試験」と「第Ⅱ相試験」を一緒に組み合わせた「第Ⅰ/Ⅱa相試験」と呼ばれる治験が行われます。通常は第Ⅰ相で健康な成人を対象として試験した後に、第Ⅱ相で少数の患者さんを対象として試験を進めますが、 「第Ⅰ/Ⅱa相試験」の場合は、始めから少数の患者さんを対象として試験が進みます。このように2つの試験を1つにすることで、新薬をより早く患者さんに届けることができるという大きなメリットがあります。
従来治験は医薬品を開発・製造する製薬企業が行ってきましたが、2003年より医師自らが治験を計画し、実施することができるようになりました。このように製薬企業が製造した薬の候補を用いて医師が治験を計画・実施することを「医師主導治験」と呼びます。つまり医師主導治験は、医療の現場で必要性が高いにもかかわらず、何らかの理由により製薬企業によって治験が行われない場合に、医師自らが指揮をとって厚生労働省への承認申請を行うことが可能となった画期的な制度です。
治験には膨大な費用がかかります。しかし、みなさまや医療者の「一日も早いHAM治療の薬を」という切実な願いと幾多にもわたる訴え、さらにこれまでの研究成果がここに合い重なることで厚生労働省もその必要性を認め、治験のための研究費の助成が決まりました。皆が一丸となって歩み続けてきたことで、この度のHAM患者さんを対象とした治験の開始が実現したのです。今回の医師主導治験は、およそ5年後の薬事承認を目指して、聖マリアンナ医科大学にて年明け早々に第1回目の投与が始まります。

 

治験に使用するお薬

 今回使用するお薬は協和発酵キリン株式会社により開発された「抗CCR4抗体(KW-0761)(商品名:ポテリジオ点滴静注®)」です。このお薬はHAMと同じくHTLV-1が原因となる成人性T細胞白血病・リンパ腫(ATL)の治療薬として2012年5月より市販されているものです。今回の治験では、ATL治療に使用する量の1000分の3程度という少ない量から投与が始まります。治験に使用するためのお薬は協和発酵キリン株式会社より無償で提供されます。

 

治験に使用するお薬の働き

CCR4(CCケモカイン受容体4)とは、アレルギーに関係するタンパク質です。HAMの患者さんではCCR4をもった細胞がHTLV-1に多く感染していることから、抗CCR4抗体(KW-0761)がCCR4を持った細胞に結合することで、CCR4を持った細胞すなわちHTLV-1に感染した細胞を選択的に破壊し、HAMの患者さんで起こっている炎症反応を抑えることが期待されます。



 

 
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